女主人公ラノベ探索記その1『デスニードラウンド』
僕はライトノベルをちょいちょい読む。
でも「異世界」「ハーレム」「主人公無双」の三拍子が揃ったテンプレ作品は好みじゃない。
そして、主人公が女の子のライトノベルを探して読むことが僕の趣味のひとつとなった。頑張っている女の子、良いよね。
女主人公のライトノベルはめちゃくちゃ珍しい。僕はそんなにたくさん読書するわけでもないので、こうして探し出して読んだ作品は結構心に残ったりする。
そんな作品について、話したいけど話し相手がいないのでここに書いていく。できる限りネタバレはしないけど、物語の核心に触れない程度の微ネタバレはあるかも。
『デスニードラウンド』
ベン・トーの作者であるアサウラさんの作品。全3巻、完結済み。
借金にまみれた女子高生であるユリが、なんでもやる傭兵部隊に入ってなんでもやる話。
本当になんでもやる。主に銃撃戦。物騒な戦いが多い。
「死ぬんちゃうか」って何度も思った。グロいシーンも結構ある。
本当になんでもありで、特に印象に残っているのは着ていた服を売り飛ばされるシーン。
女子高生の脱ぎたての服をそのまま売り飛ばすわけで、その場で写真も撮られ添付される。言葉で聞くとエロいが、実際読んでいてお色気シーンとは感じられなかった。むしろ汚い欲望だけが伝わってきて、主人公は手段を選んでいられない状況だってことが伝わってきた。
他にも、エロを恐怖で塗りつぶしてくるシーンがけっこうある。
めちゃくちゃ怖いシーンでしれっとちんちん丸出しの化け物が出てきたりとか。読んでる側はそれどころじゃないんだけど。
そんな作品なんだけど、一番の見どころは色々とアウトなマスコットキャラクターとの戦いだ。
公式サイトにも書いてあるんだけど、作中では以下のマスコットキャラクターとの戦いが繰り広げられる。
1巻 ロナウダ・ワックマインド:ハンバーガーショップ「ワックマインド」のマスコットキャラクター。ドナルド・マクドナルドさん!?
3巻 ニッティー・ザ・モルモット:テーマパーク「デスニードラウンド」のマスコットキャラクター。ミッキーマウスさん!?
何を隠そう、タイトルである「デスニードラウンド」は「ディズニーランド」をもじったワードである。
以上のブラックユーモア溢れる敵たちとの戦いが、シリアスでグロテスクに展開される。おふざけ満載に見えるが、読んでいて笑える作品ではない。
物語を通して、一般人だったユリが順応し成長していく様子は良さみが深い。
色々とネタは仕込まれているけど、作品自体は緊張と緊迫と危険の連続で、読み終わったときにはユリがめちゃくちゃ魅力的に感じた。
まっすぐな女の子が試練に立ち向かい成長していく。これはもう良さみの極み。勝ち。
ちなみに2巻以降には百合成分が含まれている。
めちゃくちゃ変わり種の作品だけど、面白いから読んでくれ。
ちなみにベン・トーの作者さんなだけあって、食事シーンに力が入ってる。読む飯テロなシーンが多々あるので、夜中に読む人は注意。