とぱーず茶漬のブログ

@topazgravity がtwitterの延長で書いているぞ。実質長文ツイート。

『ハル遠カラジ』を読んだ話

 

『ハル遠カラジ』というラノベを読んだ。

 

Amazonのオススメ欄に出てきて、表紙もタイトルも好みドストライクだったので買った。

 

主人公はロボット。人格の性別は一応あるけど、作中で明記されるまで男性なのか女性なのか僕にはわからなかった。

この作品は人間が激減した世界で、ロボットと女の子が旅をする話。

ハル遠カラジ (ガガガ文庫)

表紙の少女がハル、彼女を抱き寄せるようにしているロボットが主人公のテスタ。

舞台は荒廃した世界。テスタはもともと軍用ロボットなので普通に強い。ハルは銃にしても肉弾戦にしてもシンプルに戦闘力が高い。危ない世界をなんとか生き延びる…というよりは、バッタバッタと敵を倒すシーンが印象深い。賊がいたとして倒すだけ。そんな二人が旅している。

旅の目的はテスタの病気を治すこと。

ロボット特有の病気にかかってしまったテスタはいつ知性を失ってもおかしくない状況にあり、それを治す方法を探して旅をする。

テスタは無機質という言葉を絵に描いたような見た目をしている。

これが不思議な感覚になる。

豊かな時代に人間の手で作られ、善悪を植え付けられたテスタ。何が正解で何が間違いなのか。荒れ果てた世界で苦悩する。

常識が通じないので、読者も自分の考えを捻り出すことになるだろう。

 

舞台は荒廃した世界だが、過去パートがあって、豊かだった時代の話もガッツリされる。ここでテスタとハルの関係性の良さみが限界突破する。

個人的には現在パートよりも過去パートのほうが印象に残ってる。それくらい濃い話。

そして過去パートが終わった後、ラストシーンでは良さみが深度12742kmに達した。勝ち。

 

 

 

話は変わって、この言葉をご存知だろうか。

 

「冬来りなば春遠からじ」

 

つらい時期を耐え抜けば幸せな時期がやってくる、という意味である。

冬来りなば春遠からじ(フユキタリナバハルトオカラジ)とは - コトバンク

タイトルの『ハル遠カラジ』というのも、ここから取っていると思われる。

良くない?

こういうタイトル大好き。名言とか言葉とかの一部に倣ってる題名っていいよね。

 

 

読み終えて、この作品では[倫理観]が物語の鍵になってると感じた。

機械と人間の共存、主従関係。何が許されて何が許されないのか。自分なりの答えをぶつけるテスタがめちゃくちゃ良かった。

 

ちなみにメインキャラはほぼ女性で、ハーレム要素ゼロ。百合要素は微量。

性欲に訴えかけてくるタイプのラノベではなく、シンプルに面白いやつだった。 

 

面白かったからみんなも読んでくれ。

ハル遠カラジ (ガガガ文庫)

ハル遠カラジ (ガガガ文庫)