女主人公ラノベ探索記その2『呪術法律家 ミカヤ』
主人公が女の子のライトノベルを探して読むことが僕の趣味のひとつとなっている。
女主人公のライトノベルはめちゃくちゃ珍しい。僕はそんなにたくさん読書するわけでもないので、こうして探し出して読んだ作品は結構心に残ったりする。
そんな作品について、話したいけど話し相手がいないのでここに書いていく。できる限りネタバレはしないけど、物語の核心に触れない程度の微ネタバレはあるかも。
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『呪術法律家 ミカヤ』
第2回 集英社ライトノベル新人賞 特別賞受賞作品。
僕は新人賞作品を結構読む。プロじゃないのに面白いって、才能の暴力って感じで好き。
なんでこんな面白いものを作れるんだ、しかも本職じゃない人が。って思える作品が集まるのが新人賞受賞作だと思ってる。
もちろん、全部が自分の好みってわけじゃないけど。
で、『呪術法律家 ミカヤ』は好みだった。
この作品を一言で表すと「ファンタジー×法廷」。
単にファンタジーじゃなくて「ファンタジー×何か」の作品は世界観がみっちりと作り込まれていることが多いので好き。
そもそも法律は、現象・文化・生活があってその上に成り立っている。
つまり、呪術ありきの現象・文化・生活があって初めて呪術ありきの法律が誕生する。そのへんがめちゃくちゃ作り込まれているので「本当に1巻限りで終わっちゃうの?この世界観を使い捨てるなんてもったいない」って思った。
※新人賞作品はほとんど1巻、続いても2巻程度で刊行が止まるので、こういう手間のかかった世界観の使い捨てはよくある。
この物語は、ミカヤが大暗殺者アイスフェルドの弁護をする話。
アイスフェルドがとある殺人事件で容疑をかけられて、彼は大暗殺者だからみんな犯人だと信じて疑わない。でも実は冤罪で、ミカヤはその疑いを晴らそうとする。そして真犯人を見つけようとする。
ミカヤは才能ある未熟者。17歳にして法律家になった天才なんだけど、実務経験は足りないのか、けっこう周りの人に助けられている。努力を惜しまないまっすぐな女の子。かわいい。
一方、アイスフェルドくんは黒服で最強で感情を表に出さないというテンプレラノベ主人公みたいなキャラ。被疑者なのに安心感がすごい。
この事件に立ち向かい、まっすぐに真実を追い求めるミカヤはとても魅力的だった。主人公無双とかそういうものがないので、純粋に「困難に立ち向かう主人公」という物語の構図を楽しむことができた。やっぱり成長していく女の子は最高なんだよな。
何より、この作品の魅力は作り込まれた世界観にある。
ファンタジー×法廷、面白いのでみんなも読んでくれ。
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