とぱーず茶漬のブログ

@topazgravity がtwitterの延長で書いているぞ。実質長文ツイート。

Galaxy Harajukuに行ってきた話

 


大学卒業。人生最後の長期休み。周りが卒業旅行だのなんだと騒ぎ立てている3月、僕は家に引きこもって過ごしていた。

 

3月末ともなると、遊びだ旅行だという考えは霞ほども湧いてこない。

来週から社会人かぁ。僕なんかがやっていけるのかな。私服勤務でも襟がついてる服のほうがいいよな。バッグも変えないと。定期券は何日から買えばいいんだろう。

新生活への不安と不安を胸にいだきつつ、諸々の面倒臭さに身体の自由を奪われる僕。

やることはいくらでもあるのだが、その朝は何をするわけでもなくボイロ実況の動画を見ながら過ごしていた。

 

そういや大学までの定期券はそろそろ切れるな。都心を横断できるのもあと数日か。今のうちに行くところあるかな。

 

あっ

 

そうだ。

 

Galaxy Harajuku行こう。

 

Galaxy Harajuku とは

世界のスマートフォンのシェア1位の企業Samsung

※参考:https://www.bcnretail.com/market/detail/20190131_103280.html

そのSamsungが展開するスマートフォンのブランドがGalaxyである。

Galaxyというスマホを看板に掲げた原宿にある店舗。それがGalaxy Harajukuだ。

 

表参道から原宿への道

移動中、僕は本格スマホeスポーツ『シャドウバース』をやっていた。車両の隅にある車椅子スペースの手すりに寄りかかっていたのだが、ふと前を見るとベビーカーを引いて乗ってきた女性が居場所をさがしてキョロキョロとしている。

(子育ては大変そうだなぁ)と思いながら、僕は車椅子スペースを空けた。無言で移動したにも関わらずきっちりお礼を言ってくるお母さん。とてもいい人である。ベビーカーの中で眠っている赤ちゃんも、きっと立派に育てられるのだろう。

軽く会釈をして手すりを掴み、いつもの癖で窓の向こう側を覗き込む。

表参道駅

乗り過ごしていた。

 

そこは原宿の隣の駅だった。都心の駅の間隔は、田舎のバス停よりも短い。

僕の記憶が正しければ、Galaxy Harajukuのホームページに書いてあった周辺地図に表参道駅が載っていたはずだ。

そう遠くない。乗り過ごした駅を歩いて戻ることにした。

 

地下から出て少し歩くと、Apple表参道が見えた。全面ガラス張りの店舗が目を引く。

去年の5月頃に来た時のことを思い出した。iPadのカバーをひとつ買うだけ。些細な用事だったが、接客を受けている時間は新鮮な体験の連続だった。

曲がりなりにもスマホ好きで、接客業の端くれにいた僕。

iOSをフル活用した運営システム、それを使いこなす大勢のスタッフ。驚きと興奮に満ち溢れていた。Apple直営店は本当にすごい。

 

思い出に浸りながら大通り沿いの歩道を進んでいく。

ふと右を見ると、Google Pixel 3の広告が。Pixel 3とは、Androidを開発するGoogleが自ら開発したスマートフォン。日本では約3年ぶりの発売となった純正Androidスマホだ。しかしその話題もつかの間、実際に販売が始まると有象無象のAndroid機種と同じく空気のように存在感を示さなくなっていた。次に買う端末はPixelシリーズにしたいと心に決めている僕にとって、Pixelの不調は好ましくない。何としても今後の日本展開をお願いしたい。

そんなPixel 3。通り沿いにずっとフラッグ広告が連なっていた。日本ではもはや空気となっていたPixel 3。この街では存在感を示しているんだ。少しだけ嬉しくなった。

 

そのフラッグ広告が途切れてしばらく歩くと、大きな交差点に出た。目の前のビルには大きくAmazonAppleの広告があった。この街はどうやら、僕が思っていたよりもずっとシリコンバレーに近い場所なのかもしれない。

すぐそばにGalaxy Harajukuはあった。

 

いざGalaxy Harajukuへ

大きくGalaxyと書かれた看板。入り口の横一面は大きなディスプレイとなっており、意味ありげなパターンアニメーションを映し出している。

近づいてみると。

それはディスプレイはスマートフォンの集合体だった。

この手の技術は知っていたが、いざ目の前にすると圧巻だ。何十、何百もの端末が少しのズレもなく画面を映し出しているのだから。期待に胸をふくらませて入店。

 

入店し、WELCOMEと書いてあるカウンターにいるスタッフと目が合う。何だか呼ばれている気がしたので近づいてみた。

「バディの貸し出しでよろしいですか?」

何のことだか分からんという僕の様子を見て、追加で説明が入った。

どうやら、一人一台端末を貸し出していて、それがフロアガイドやポイントカードになっているという。まるで遊園地か博物館だ。渡されたのはGalaxy Note9だった。

Galaxy Note9 | スマートフォン - Galaxy Mobile Japan 公式サイト

Galaxy Note9といえばSamsungの最新にして最上位のモデルだ。12万円程度するはず。思えば、さっき見たディスプレイもすべてNote9で構成されていたな。

周囲を見渡すと、いたるところにNote9や日本未発売のGalaxy Tab S4と思われる端末がディスプレイに使われている。

最上位モデルの大盤振る舞い。さすがはGalaxyの名を冠する場所。恐れ入った。

 

1F

奥に進むと、Galaxy S10 S10+の実機が展示してあった。

Galaxy S10e, S10 and S10+ | スマートフォン - Galaxy Mobile Japan 公式サイト

未発売モデルの実機だ。おそらく日本発売は4月下旬から6月あたりになると思われる。

そんな実機に触れる時点でテンションが上がる。一般的な携帯電話の店舗よりも防犯装置が小さく、また設定項目なども自由に開けた。これはすごい。

思ったより軽量なんだな、独特なインカメは意外と気にならないな、とか思っていると、スタッフが近づいてきた。

「ワイヤレスパワーシェアもできますよ」

スマホから他のスマホを充電できる機能。

他社のモデルに搭載されているのは知っていたが、S10にもあったのか。勉強不足だった。

「ワイヤレス充電対応してるスマホあります?」

原宿らしく陽がにじみ出てるお姉さんスタッフに言われるがまま、陰をまとった僕はサブ端末のiPhone Xを取り出した。

一番のライバル企業のスマホ。ちょっとだけ気まずかった。申し訳ないが、メイン端末は無線充電に非対応なんだ。

「スマートウォッチとか充電忘れたときにすぐ充電できますよ」

機能の良さを伝えるために、実際のシーンを伝えるというのは接客における基本中の基本だ。僕も練習させられた。

しかし、スマートウォッチか。まだ珍しい部類だと思うんだが。

日本に出回っているスマートウォッチは殆どApple Watchで、これはiOS端末専用だ。つまりiPhoneを使い続ける意思を持った人が使っていることが多い。

Galaxy Harajukuに、iPhone信者がどれだけ来るだろうか。Apple Watchを除くとスマートウォッチなんてレア中のレア、実際に使っている人は数人しか見たことがない。

そこで「Galaxy S10はスマートウォッチを充電できますよ」か。

やっと自分のいる場所を自覚した。技術の最先端で生きる人も来るような場所なんだ、ここは。

 

「こっちにGalaxy Foldもありますよ」

Galaxy Fold | スマートフォン - Galaxy Mobile Japan 公式サイト

折りたたみ式スマートフォン、Galaxy Fold。画面が折り曲がるスマートフォンはまだ発表段階で、発売どころか見ることすら叶わないシロモノだ。これを見るためだけに世界各地の技術展を飛び回っている人を僕は知っている。

さすがにFoldは実機に触れることは叶わなかったが、ガラス一枚挟んだ先に実物があるというだけで感動、感動。話には聞いていたが、実際に見てみると本当に折り目がわからないな。

「世界で唯一、展示してある場所みたいなので!勉強しました!」

さっきの陽のお姉さんが話してくれる。

薄々感じていたが、さすがに諸々の知識は僕のほうがあるようだ。

原宿らしく、昨日まで服を売ってましたと言われても不思議ではないお姉さん・お兄さんスタッフが多い。

そのためか、接客のレベルがめちゃくちゃ高い。何不自由なくコミュニケーションが取れる。

知識差は薄々程度にしか感じ取れないし、知りたいことは全部教えてくれる。

勉強だけでこれだけの知識をつけたのか。努力が窺い知れる。ここにいるスタッフさんは間違いなくスペシャリストだ。

 

2F

エスカレーターを上がると、そこにはスマートウォッチやスマートスピーカーが展示されていた。

Samsungってスマートスピーカーなんて出してたっけ)と思って見てみると、これまた綺麗なお姉さんスタッフが近づいてくる。

「これAlexa搭載のスマートスピーカーなんですよ、話してみます?」

僕は既にAmazon純正のAlexaを所持している旨を伝えると、ポータブル製という違いを教えてくれた。さすがにインターネット環境がないと音声アシスタントはできないみたいだが。

Samsungスマートスピーカー出していたんですねと言うと

「あ、これSamsungじゃなくてハーマンっていうところのやつで!提携してるんですけど!」と教えてくれた。

なるほど、ここではGalaxyの体験の一つとしてスマートスピーカーも紹介しているのか。

 

 

すぐ横にスマートウォッチが置いてあった。Galaxy Watchだ。

Galaxy Watch | ウェアラブル - Galaxy Mobile Japan 公式サイト

GoogleのOSではなくSamsung独自OS搭載とのことでスルーしていたのだが、よく考えたらApple Watch以外のスマートウォッチの実機は触ったことがない。せっかくなのでその場でいじってみた。

「それが42ミリでこっちが46ミリです!そんなに高くないんですよ!」

そっちに違うサイズも展示していたのか。

「高くない?高くない!」

何で自問自答したし。

「小さい方が41,000円くらいで大きいほうが43,000円くらい!」

多分このお姉さんは、大きいモデルにしても値上がりしないよってことを言いたいんだろう。スマホだと大きいモデルは数万円高くなるので、たかが2千円で大きいモデルにできるのは高くないといえる。

サイズといい値段といい、こっちは何も言ってないのに知りたいことを全部教えてくれる。本当にスタッフのレベルが高すぎる。

大きいサイズ一択かと思っていたが、ヒョロガリの僕には小さいサイズのほうが良いという意外な発見もできた。実店舗ならではの体験だ。

さすがにGoogleのOSではないので追加機能に難はあるのだろうが、基礎機能は抑えているようだ。触った感じも悪くない。

むしろ追加機能って何が必要なんだ?独自OSでもいいじゃん。欲しくなった。

 

お姉さんに別れを告げて横のDeXの展示スペースへ。

DeX|アプリ - Galaxy Mobile Japan 公式サイト

 

これは簡単に言うと、Galaxyをパソコンにする機能だ。アプリをウィンドウ表示することができ、別途用意すればマウスとキーボードも利用可能になる。

たしかDeX Padというアクセサリと共に展示されていた。画面に繋がれたNote9とキーボードが置いてある。Note9はトラックパッドのようになっていて、タッチでマウス操作ができる。簡単なブラウジングをしてみたが、これは予想以上に快適だ。Officeツールも使えるようなので、家での本格的な作業にも耐えうるだろう。

確認や簡単な修正は出先でGalaxyで、サっとできるわけだ。これだけでパソコンが不要になる家庭も多そうだ。

これも機能は知っていたが、いざ触れると想像していた何倍も快適で、気がつけば僕はGalaxyシリーズの虜になっていた。

 

3F

3階に上がると工場見学ブースがあった。

実際のロボットアームが目の前で動き、模擬的にGalaxyの製造過程を見ることができる。すぐ隣にはSamsungの歴代端末やオリンピックとSamsungの歩みなどが展示されており、ここは紛れもない博物館だ。

ふと目をやると、画面の向こう側が透けて見える透過ディスプレイが展示に使われていた。Galaxy Harajuku、ここはどこまで僕を興奮させるんだ。

 

4F

4階。写真撮影のブースがあった。スローモーション撮影やSNS向けの撮影ブースなど。

僕はすぐ左にいたスタッフさんに声をかけた。例に漏れず、服を売ってそうな綺麗なお姉さんだった。

「ミラーブースといって背景を自分で描いて写真を撮れますよ」

さっきから何度も話に出てきているNote9だが、専用の高性能タッチペンが搭載されているのが大きな特徴だ。さすがGalaxy Note9はノートの名前を冠するだけのことはある。そのタッチペンを使って背景と描けるというわけだ。

「写真撮ります?」

うーん、背景を描く、、、美術的なセンスが皆無な僕にとって、それはなるべく避けたいところではあった。

が、せっかくなのでやることにした。

 

お姉さんにNote9を渡される。背景を選んでそこに自分で描き足すらしい。

描いたものが流れていくという特殊な背景があるらしく、それを選んで編集へ。

僕は【Galaxy原宿】と描いた。いや、書いた。

すると目の前の大きな画面に背景と文字が流れ始め、お姉さんがNote9をセットしてくれた。

タッチペンにシャッターボタンが搭載されていて、離れた場所からでもシャッターを切ることができる。

パシャリ。

お姉さんに撮影したことを伝えると、そのまま端末にメールアドレス入力を促された。言われるがままに入力すると、写真がメールで送られてきた。

肝心の写真は、背景に流れていた文字がちょうど消えたタイミング。真っ黒な背景にただの僕が立っているだけの写真だった。

絶望的センスだな。

 

5F

アトラクションコーナー。

スマホVRは今日日そこそこ知名度が上がってきているが、その最高峰にあるのがGearVRだろう。VR最大手のOculusとSamsungの共同開発によりGalaxy専用に作られたゴーグルが特徴だ。これと対応したGalaxyを組み合わせて使う。

Gear VR | ウェアラブル - Galaxy Mobile Japan 公式サイト

5階にはレーシングゲームと4Dシアターがあった。僕は4Dシアターの近くにいたスタッフさんに声をかけた。

荷物をカゴに入れることを促される。4Dなので椅子が映像と連動して動き、スマホ等がポケットに入っていると落ちてしまうとのこと。

平日の昼間ということもあって人は少なく、ヒョロガリな僕とガタイの良い外国人という対象的な2人のみで上映が開始された。

僕は一時期友人に触発されてVRにハマっていた時期があり、PSVRの発売日は授業をサボってサマーレッスンをしていたほどだ。それなりのVR経験はある。(VR経験ってなんだ)

お姉さんに渡されたゴーグルを着けると、程々の解像度で注意書きが目の前に浮かぶ。VRで解像度が低いのは仕方のないことなのだが、PSVRと遜色ない映像クオリティに衝撃を受けた。

それにしても、PSVRと違いコードレスなVRゴーグルは非常に楽だ。

実際にゲームを動かすとなると据え置きの機械に繋がれたVR機器に軍配が上がるだろうが、映像作品を見るだけなら今回のGearVRは最適な形だと感じた。 

 

上映が始まると、スタッフのお姉さんが大声で実況を始める。

「さぁ落ちる落ちる!下見て下見て!落ちる落ちるーーーー!」

凄い。

内容としては、近未来の世界をバイクで駆け回る…といったところだろうか。

目まぐるしく移り変わる視界、激しく動く座席。まくしたてるお姉さん。

高速で動くバイクからの風景、解像度の粗さは気にならない。

そういえば、映像と椅子のラグはどんなもんだろうか。

コードレスが故に、そこの課題はあると思うのだが。

……着地。椅子がガコンと動く。ほんの少しのズレ。しかし注意しないと気付かない程度であり、これもGearVRとシステムの完成度の高さが伺える。

そしてまくしたてるお姉さんがいい感じに雰囲気を作ってくれて、見所もそれとなく教えてくれる。「見て見て景色がきれい!!絶景!!」

 

 

・・・・・・・

絶景?

目の前は真っ暗だ。

依然として椅子はガコンガコンと揺れている。

ゴーグルを外してお姉さんに声をかける。どうやら隣の外国人さんもエラーが出ていたようだ。

「ごめんなさーい!最後の最後でエラーが出てしまって!」

もう一度最初から見ることになった。

ラッキー、もっかい見れる。

「もう一回落ちる落ちる!下見て下見て!もう一回落ちるーーーー!」

めっちゃ楽しい。

 

正直VRはもうダメだと思っていたんだけど、触覚が加わると最強のコンテンツだと感じた。見直した。でも一般家庭に4D用の椅子の普及は難しいか、コスト的に。

そしてすっかり忘れていたけど、この映像はGalaxyを通して見ているんだよな。

欲しくなった。

 

その後

6Fにも楽しそうなアトラクションがいくつもあったが、さっきのVRで満足した僕は帰ることにした。

エレベーターに乗って1階に向かっていると……

「ポイント貯めてます?」

これまたスタッフのお姉さんが声をかけてきた。

実はさっきの写真撮影やらVRやら、体験すると借りたNote9にポイントを付与してくれていたのだ。貯めてますと言うと、

「これから貯めにいきません?」

なんだその誘いは。しかし楽しくなっていた僕。行きます!と答えた。

 

行った先は1階の一番奥。50人くらい座れそうなイベントスペースに、僕含め3名でステージの開始。Note9を使って原宿のマップを作るというプログラムだった。

ペンを使ったスクショや画像切り抜き、イラスト描き込みなどの体験会。センス皆無な僕でも、スタッフのお姉さんとお兄さんが盛り上げてくれて、客3人とは思えないほど楽しく参加できた。

 

帰りに地下のショップスペースで何か買おうと思ったが、Galaxyのケースやフィルム、あとはカスタマーデスクなどがあり、遊びに来た僕が何をするということもなかった。

 

ただ、ここにも大量のNote9で構成されたディスプレイがあり、見てよかった、と思った。

 

 

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最後に

本当に楽しかった。最高の技術体験にハイレベルな接客。

スマホ好きな元接客業という僕にとって一生モノの思い出となった。

これで入場料タダだからやばい。数千円は払える。

たぶんSamsungはこの施設でで元を取る気なんてなくて、PR活動の一環なんだろう。それにしても無料はヤバいけど。

 

これが僕の卒業旅行だ、と胸を張って言える。

 

www.galaxymobile.jp